25歳インストラクターの生き方探し

人として、インストラクターとして、どうありたいか。素敵な方々にインタビューしたり、自身の想いを綴ったり、知っていただきたいことをまとめたり、色々と書いていきます。

〜周りの人たちにHappyを届ける〜トレーナーという名の研究者でありたい。

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高田聖子さん Seiko Takada


ピラティスインストラクターになったきっかけはなんですか?

聖子さん(以下S):元々ジャズダンスのインストラクターをしていました。
ある時、舞台中に膝の靭帯を怪我し、手術とリハビリをして復帰した経験がありましたが、前のようには踊れないもどかしさが自分の中にありました。

当時のダンスの師匠が身体の構造やトレーニングに精通していたのを影で見ていたこともあり、
自分の怪我とリハビリをきっかけにもっと身体について勉強したいという思いが日に日に強まっていました。
そんな中、突如師匠が亡くなり、スタジオが閉鎖する事態に。
一生やっていこうと思っていたものが突如消え去り、パニックでした。

そこで自分が怪我をして悩んだ経験から、
ダンスをしている人が怪我なく、
ダンスがもっと上手くなるために、
純粋にダンスを楽しめるように、

自分自身が身体の使い方を学ぼうと思い、
様々なボディーワークの体験レッスンに参加しました。
その中で、なんとなく直感でこれだ!と思ったのが「ピラティス」でした。
今思うと結構安直!(笑)
当時は今思っているほど「ピラティスが素晴らしい」なんて気付いていないから、正直身体のことを勉強したい一心で、手段は何でも良かったんです。

2006年にアメリカのネバダ州立大学ダンス学科のメソッドを学び始め、
その系統であったピラティススタジオで約3年間務めました。
結婚などのタイミングで退職し、現在のトレーニングスタジオに移り、今に至ります。
前職、現職ともに、様々な海外研修に参加するチャンスを何度も与えていただき、本当に幸運な環境で働かせてもらっています。


ー聖子さんは4歳の娘さんがいらっしゃいますよね。
子育てしながらのインストラクター業、どのように進まれてきたのか教えてください。

S:まずは仕事観のベースに今は、「自分が何かを成し遂げたい!」というより、
「自分と自分の周りにいる人達がハッピーでいてほしいな。」という気持ちがあります。
家族や仲間、クライアントさんがハッピーにいられるようにするには、自分がニコニコしていないとって思いますし、逆に自分が元気なら周りもたぶん元気っていうスタンスです。

そういった意味で、自分を「ゴキゲン」にしておくことをすごく大切にしています。
仕事が楽しいものであるために食事や睡眠に気を使うことや家族との時間を大切にすること娘と沢山遊ぶこと、
時には舞台や美術館に行くことの時間を出来る範囲で取ること。
だから、無理はしない。
これすごく私にとって大切なんです。

自分の体調が元気じゃないと、絶対良いセッションにならないし、勉強する気さえ起きないじゃない?
娘がいると、自分のために使える時間が本当に限られる。
時間が限られるからこそ、インプットしに行くことは、ものすごくテンションが上がりますね!
自分の勉強とメンテナンスの時間をなんとかして確保すること、これは欠かしてはならないと思っています。

そうは言っても全然時間が取れない時もあれば、たくさんとれる時もある。
以前はこんな感じのペースで勉強しようと目標を決めたり、そうしなくてはならないという固定観念みたいなものもありました。
でも子育てしていると急な予定の変更なんて日常茶飯事。
計画通りにいかないことばかり。
そしてそれが自分にとってものすごく大きなストレスになっていることが分かりました。

だからそこからはもうきっちり決めないで、
例えば「半年後の自分はこんな風になっていたいなー。」という感じで、いい意味でゆるーいイメージ設定するくらいが丁度いいと思うように切り替えました。
子供が産まれてからはそういった自分の価値観をわざと決めないようにしています。

以前は「この資格もとりたいし、このコースも受けたいし、このセミナーも行きたい!なのに行けない!もう!なんでっ!」って、
どうにもならない状況に対してネガティブな感情しか浮かばなかったんだけど、
「しょうがないじゃん!」って割り切るようになったんです。
「ポジティブに捉えよう!」って。

制限がある中ではありますが、 だったらもうタイミングがあえば学べばいいし、チャンスがあったら行けばいいし、その時できることだけやればいいや。だってどうにもならないんだから」と思ったら、イライラしなくなったし、意外と単発的に学んだことがそれぞれ別物にならないことがわかりました。

例えば全然違うアプローチだったり、違うメソッドだったりするのに必ず最後はつながる。
それが徐々に積み重なってきて今の自分のレッスンのスタイルがあります。
娘が成長する、しばらく数年はこのスタンスで行こうと思っています。
最初はこれがなんとなく妥協のような気がしてならなかったんですが、実際は全くそんなことはないことに自分でもびっくりしています!
逃してはならないというアンテナが敏感になったのか、今まで出会わなかった分野のことに出会うチャンスが急に増えた気がして、だから娘には感謝でいっぱいなんです!
なにはともあれ可愛いですしね♡
もしかしたら娘が一番大きなモチベーションかもしれないです(笑)


ーちなみに今、取り組んでいることがあったら教えてください。

S:「根本的な体質改善」が私の今年のテーマです。
幼少のころからアトピーがあり、長年つきあっているのですが年始に高熱と共に全身に再発し、それはそれは大変な想いをしました。
ですが、毒素がたくさん抜けたような感覚ですっきりしたんです。

そこで直感的に今年は自分の身体にもっと向き合おうと決めました。
もちろん、トレーナーとして、ピラティスで身体を追及することはやってきましたが、
もっと内科学的な部分も含めてしっかり人間の身体に向き合いたいと思ったんです。
大変な経験でしたが、すごくラッキーなきっかけをもらったと思っています。
ピラティスでは血流、自律神経、内臓の位置の調整などに効果があるけれど、
その他にも食事や消化器系、ホルモン、肌の構造、睡眠のことなど、まず自分が良くなるためにできることを勉強するようにしています。
ですが、それが意外とクライアントさんの状況とつながってきたり、セッションにもすごく役に立ってきています。
様々な角度からクライアントさんと向き合うことで、アプローチ方法や、かける言葉にも大きな変化がありました。

どんなにピラティスで筋骨格系のアプロ―チをしても、例えば心や内臓が元気でなければ、結局筋肉はひっぱられてしまう。

クライアントさん自身が自分自身の力で健康になったり、パフォーマンスをあげたりできるようサポートするのがトレーナーの役割だと思っているので、ピラティス以外の知識も大切にしたいと思っています。


ー周りの人を元気にするために、まずは自分を良くして、また、その取り組みがクライアントさんに役に立っていくことはいい循環ですね。
人として、インストラクターとして聖子さんが大切にしていることを改めて教えてください。

S:「人と人」でセッションをすること、当たり前ですが、身体じゃなくてその人にしっかり向き合ってセッションすることです。

半分くらいは専門的な技術なんだけど、半分位コミュニケーション力というか、その人との信頼関係をいかに築けるかが大切だなと思っています。
私は決して指導しているんじゃなくって、クライアントさん自身が自分の身体に意識を向けて取り組んでいけるようにお手伝いするというイメージ。

だから、その日のその人の空気感によってレッスンはまったく違うものになったりしますし、
「人対人」だからこそうまれるものを大切にしたいと思っています。


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ーいかに自分が「柔軟にあるか」が大事ですね。

S:そうやって、人と人としてきちんと向き合えるトレーナーでいるため、 そして周りにいる人たちがハッピーでいてくれるためにも、 私がすごく大事だなと思うのは、まず自分に、身体に、感覚に、事実にしっかりと向き合うこと。
学んだことや情報をただただ鵜呑みにするのではなく、必ず自分で試してみる。また学ぶ。そして試す。トレーナーという名の研究者でありたいと思っています。


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ー聖子さん自身が関わる人を想う暖かい気持ちが根本にあり、経験したことを活かし、どうしたら周りをハッピーに出来るように変化できるかを常に考え続ける姿勢や、 また、自分の感覚にないものは絶対にやらないという姿勢に、強い意志を感じます。


聖子さんのことを一言で表すと、 とっても「温かい」方!
筆者自身、ピラティスと出会ったのは聖子さんがきっかけでした。

大学時代に所属していたダンスサークルの恩師で、 初めてお見かけした際に、その雰囲気や佇まいに同性ながら惚れ惚れし、サークルへの入会を決めました。
その後、「聖子さんみたいになりたい!」と思い、ピラティスを学ぼうと19歳の時に決意し、聖子さんの元で学び、何度も挫折しそうになりながらもいつも励ましていただきました。
そうして今に至ります。

聖子さんは明るく、そして時折鋭い審美眼で、元ダンサーならではの細かい身体意識を与えて下さります。
聖子さんの感覚を通した身体意識は、身体にビビビ!と電流が流れそうな位、いつもセンセーショナル!
「自分の身体って意識を変えればこんな動きが出来るのか!意外と凄い!」と思ってしまうほど自分へのイメージが変わります。

人としての温かみだけでなく、 「研究者」でありたいという、聖子さん自身のインストラクターとしてのあり方がいつもレッスンに滲み出ていて、 それが多くのクライアントさんに信頼される証だと感じました。

聖子さん、ありがとうございました!


聖子さんのレッスンはこちらで受けられます!
www.arancia78.jp

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